168【オイルの秘密】
今日は、脂質(オイル)の話をしましょう。 
    これ、けっこうわかりにくく、混乱しているんです。 
ダイエットにとって、オイルは大事なことです。 
    一般的な女性で、1日に必要なカロリーは1500cal前後だと思います。 
ところが、このオイルというのは、大さじ1杯(12g)で111カロリーもあるんです。 
    仮に、昼と夜に、大さじ2杯の油を使うと、それだけで、1日のカロリー15%に相当します。 
砂糖も太ると思っているかもしれませんが、大さじ1杯では35カロリーしかありません。 
    このように、超高カロリーのオイルは、ダイエットの敵と考えてもおかしくありませんね! 
ところが、ただ、オイルを食べないようにすれば良いのかといえば、そんなことはありません。 
    必須脂肪酸といって、人間のカラダを維持するために、オイルは絶対に必要なのです。 
10年ほど前、美白で有名になった、「鈴木その子」さんを覚えている方も多いでしょう。 
    この方は、美白で有名でしたが、料理研究家であり、SONOKO式ダイエット提唱者です。 
実は、ワタシも、鈴木その子さんの全著作を読みました。 
    大変素晴しい方で、尊敬申し上げますし、SONOKO式ダイエットも挑戦してみました。 
たしかに、論理的でもあり、効果のある方法だと納得しました。 
    実践するには、ちょっと、手間がかかる(もしくはお金がかかる)のが難点でしたが(笑) 
この鈴木その子さんのダイエット法というのが、「油抜き」ダイエットなのです。 
    もちろん、それ以外にもいろいろあるのですが、中心なのが、油を抜くという下処理です。 
油を抜くと同時に、農薬や添加物なども一緒に排除するので、とても痩せやすくなります。 
    調理に油は使わないし、お魚やお肉の脂分も徹底的に抜くので摂取カロリーは減ります。 
痩せるのはいいのですが、肝心の鈴木その子さん、わずか68歳で亡くなってしまいました。 
    公式発表では、肺炎ということでしたが、健康法を指導していた方としては、残念なことです。 
まあ、亡くなった本当の原因はわかりません。 
    でも、ひとついえるのは、必須脂肪酸の摂取量が少なかったのは事実でしょう。 
脂肪というのは、お腹のぜい肉になるだけが仕事(?)ではありません。 
    脂肪はカラダの細胞膜の原料になりますし、ホルモンの材料にもなる、大事な栄養素です。 
ところが料理に油は使いませんし、食材の油も、下処理ということで、なるべく減らします。 
    肉類の脂肪を減らすのは良いと思いますが、健康に必要な油も減らしている可能性があります。 
だから、油を抜けばダイエットできるのは事実ですが、健康上の問題があるのです。 
    必須脂肪酸とは、オメガ6脂肪酸(リノール酸)と、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)です。 
リノール酸は植物の種に多く含まれています。 
    大豆、コーン、菜種、紅花などから取れますが、これは現在、とりすぎの油です。 
α-リノレン酸は、アマニ油、エゴマ油と、魚に多く含まれるDHA・EPAのことです。 
    これは、現在、ほとんど食べられなくなりつつあり、オイルバランスが狂う原因です。 
その他、有名なのはオリーブオイルで、これはオメガ9脂肪酸(オレイン酸)といいます。 
    オリーブオイルは、必須脂肪酸のオイルバランスに影響をあたえないといわれています。 
健康のためには、リノール酸を減らして、α-リノレン酸を増やさないといけないのです。 
    この、オメガ6脂肪酸のリノール酸ですが、ひと昔前は、健康食品といわれていました。 
当時、ファーストフード店では、動物性脂肪(ラード)を使って揚げ物をしていました。 
    ところが、このラードは健康に良くないということで、植物性の油を使うようになったのです。 
栄養学的にも、必須脂肪酸のリノール酸は健康によい油として宣伝されていたのです。 
    なんか、リノール酸と聞くと、健康に良さそうな気がするのは、そういう理由によります。 
しかし、現状を知ると、とんでもないことがわかります。 
    ただでさえ、摂取量の多いリノール酸ですが、作られ方が問題なのです。 
むか~し、むかし、植物性油は「貴重品」でしたね。 
    よく、仕事がはかどらない事を「なに、油売ってんの!」という言い方がありました(笑) 
これは、油は粘度が高く、販売するときに、ゆっくりやらないと、器に移せないからです。 
    なにしろ、貴重品ですから、手早くすると、お客さんの器に全部移らないのです。 
昔は、お盆や、法事など、親戚や知人が集まるときに、よく「天ぷら」がでました。 
    これは、油が貴重品であり、天ぷらを出すことは最高のもてなしになるからです。 
この天ぷらに使われるのが、リノール酸のオメガ6脂肪酸です。 
    昔、貴重品だったのは、作り方が違うからです。 
当時は、圧搾法という、伝統的な方法で油を搾りだしていたのです。 
    その名のとおり、圧縮して搾り出すので、素朴ですが、非常に効率が悪い方法です。 
現在は、圧搾法で油を作るところは少なく、売っていても通常の2倍程度の価格です。 
    まあ、高価な油なので、少ししか使わないし、カラダにもちょうど良かったのかもしれません。 
いま主流になっているのが「抽出法」という方法で、溶剤を使って溶かす方法です。 
    カンタンに言えば、溶剤を使って油を抽出させ、その後、溶剤を揮発させるのです。 
石油から作られた、ノルマンヘキサンという溶剤を使って、原料から油を溶かします。 
    そして、溶かしたものから、ノルマンヘキサンを揮発させ、油を抽出するのですね。 
これだけでもコワイですが、さらに、アルカリ処理をし、脱臭をし、脱色をします。 
    これらの工程には、強アルカリで劇薬のカセイソーダ等が使われているのが現状です。 
カセイソーダというのは、飲み物ではありませんよ! 
    劇薬ですので、触ると手がヤケドするほどの危険物なんですから・・。 
でも、こういう工程を経ないと、安定した油が手に入らないのです。 
    こんな理由により、現在は油が比較的、安く販売できるようになったのです。 
市販されている植物油には、狂った油と言われるトランス脂肪酸も数%程含まれています。 
    これは抽出する工程で出来る物なのですが、欧米で使用規制されている危険な脂質です。 
このトランス脂肪酸というのは、マーガリンに多く含まれますが、普通に販売しています。 
    でも、トランス脂肪酸は分解されにくく、内臓脂肪を増やし心臓疾患を増やす元凶なのです。 
ちなみに、マーガリンは、油に水素を添加することで、液体の油を固体にしているのです。 
    これ、想像したくありませんが、原料はプラスチックと同じなんですね。 
つまり、マーガリンというのは、柔らかいプラスチックを食べているようなものです。 
    この、キケンな脂質を、日本政府は欧米より摂取量が少ないという理由で野放しにしています。 
まあ、ここまでいうと、市販の油なんて恐くて使う気はしませんね。 
    ダイエットに良くないのはもちろん、健康を害するキケンが高いです。 
ここで登場するのが「オリーブオイル」です。 
    なんと、オリーブオイルは、このような危険な製法ではないのです。 
オリーブオイルは、低温のまま、生の果肉を絞って放置すると、果肉と脂分が分離します。 
    そのため、薬品を使わなくても油が抽出できるため、オリーブジュースともいえる油です。 
当然、オリーブオイルには、ポリフェノールやビタミンEなど、栄養成分が生きています。 
    だから、ダイエットはもちろん、健康を考えるかたにもオリーブオイルはお勧めです。 
ここで気をつけて欲しいのが、オリーブオイルのランクです。 
    効率よく油を抽出するため、溶剤抽出法で作っているオリーブオイルもあるからです。 
現在では、つぶした生の実を、遠心分離機にかけて抽出しています。 
    こうしてできた油が「エクストラバージンオリーブオイル」というオイルです。 
当然、のこった実のカスにも、油が大量に含まれています。 
    そこに、石油溶剤を混ぜて作った油が、ただの「オリーブオイル」です。 
オリーブオイルにも、ランクがあります。 
    その点だけ、注意してください。 
揚げ物はもちろん、普通の炒め油にも、オリーブオイルは最適です。 
    普通の油より、ちょっと高いですが、昔の圧搾法で製造した油に比べれば安いものです。 
それに、オリーブオイルは、美肌効果、便秘予防にも使えます。 
    それこそ、そのまま飲んでも健康によいほどですから、ドレッシングにも最適ですね。 
ぜひとも、日常的に使う油は、「エクストラバージンオリーブオイル」にしましょう。 
    こういうことは、調べればわかりますが、報道されることはありません。 
つまり、自分のカラダは自分で守る必要があるのです。 
    同じように、自分でダイエットをするときも、変な広告にだまされないよう気をつけましょう。 
ダイエットにしても、正しい情報を得ることが必要なのです。 
    ワタシのテキストも、そんな形でお役に立てれば嬉しいと思います^^☆