164【水を飲んだら痩せるのか?】
ワタシは以前から疑問に思っていたことがあります。 
    それは、「健康のため、一日に2リットルの水を飲みましょう」という方法です。 
たしかに水は大事な成分で、飲まなければ命に関わるものです。 
    しかし、なかなか2リットルは飲めないし、本当にこれが健康法なのだろうか? 
この、一日に2リットルの水を飲む、というのは、けっこう多くの本に書いてあります。 
    健康法の本はもちろん、ダイエットの本にもかなりの確率で書いてあるから悩みますよね。 
注意:ここでいう「水」とは、ただの水のことで、水道水やミネラルウォーターをさします。 
    市販のジュース、コーヒー、お茶、炭酸飲料、お酒などは、「水」ではありませんからご注意を! 
だいたい、ダイエット法というのは、矛盾するものが多いです。 
    この、水のことでも、逆の意見は当然あります。 
逆の意見としては、「水を飲みすぎると、カラダが冷えて免疫力が落ちる」というもの。 
    カラダのむくみや、冷えの病気にかかる恐れがあるので、飲み過ぎないようにと指導されます。 
どちらも健康法のハズですが、まったく逆の事を言っていますね・・・。 
    ワタシは3年前から、この矛盾の回答を探してきましたが、結論を得ました! 
ワタシは以前、この問題の回答として、カラダの代謝機能の違いだと考えていました。 
    つまり、個人の代謝機能のよしあしによって、飲める量が違うのだと説明したと思います。 
カラダに良くないものを食べ、運動不足では、代謝機能が落ちますからそんなに飲めません。 
    いっぽう、良質な食物を少量食べ、運動と休息をバランスよくとっていれば、多く飲めるはず。 
まあ、水が小川のように、カラダの中を、サラサラと流れている状態を理想と考えたのです。 
    代謝が正常ならば、たくさん飲めるけど、代謝が悪ければ、そんなに飲めないということです。 
ところが・・・、真相はちょっと違いましたね。 
    ただ、いちおう、代謝が原因というのは、あっていましたが・・・。 
本当の原因は、「肉類の摂取量」にあったのです。 
    つまり、肉類(たんぱく質)をどれだけ食べているかが関係していたのです。 
肉類には多くのたんぱく質が含まれていますが、食べすぎはよくありません。 
    肉類の脂肪は、必須脂肪酸ではないので、カラダには負担だし、肥満の原因にもなります。 
さらに、肉類のたんぱく質は、分解されると栄養素と老廃物(毒素)に分かれます。 
    肉類は、良いたんぱく源ですが、よけいなものが多いので、食べすぎはダメなのです。 
この、「食べすぎ」という量の設定が問題です。 
    「水を一日に2リットル」というのは、アメリカのダイエット法から輸入されています。 
アメリカに行ったことのある人はわかるでしょう。 
    アメリカ人は、ものすごくたくさんの「肉類」を食べるのです。 
一回の食事に、500gのステーキとか、普通に食べるんですよ。 
    最近、日本でも、メガマックとか、クォーターパウンダーとか言っていますが、甘いです! 
この「クォーター」というのは「四分の一」という意味で、「四分の一ポンド」ということ。 
    1ポンドは、454gですから、4分の一で、まあ114g程度です。かわいいもんでしょう。 
日本人は、なかなかいちどの食事で500gの肉は食べられません。 
    大体、普通は、150gとか200gで、大きなステーキでも300gですから。 
アメリカの食事は、肉がメインで、パンが付け合せといった感じです。 
    ところが、日本の食事は、ゴハンやパンがメインで、肉が「副食」ですからね。 
この違いが、水を飲む量と関係していたのです。 
    たんぱく質から分解された毒素は、尿から排出されます。 
毒素が、そんなに多くなければ問題ないのです。 
    ところが、いちどに多くの肉類を食べると、たくさん毒素を排出しないといけません。 
ところが、尿の中には、一定の量しか毒素を混ぜることができません。 
    だから、たくさんの尿を出す必要があって、たくさんの水が必要になるのです。 
むしろ、たくさん水を飲んでいないと、血液中の水分量が減って血栓が出来やすくなります。 
    だから肉をたくさん食べる人は、水をたくさん飲まないと心筋梗塞、脳梗塞の危険があります。 
もちろん、肉類に多量に含まれる、不飽和脂肪酸(肉の脂身)が、つまる原因です。 
    このような理由により、アメリカでは、一日に2リットルの水を飲む事が健康法なのです。 
逆に、日本では事情がまるっきり違います。 
    日本の主食は、ゴハンやパンですから、おもに炭水化物です。 
炭水化物は、分解されると「ブドウ糖」と「水」に分解されるのです。 
    だから炭水化物は「クリーンエネルギー」なのですが、なんと「水」が生産されるのですね。 
ここでたくさん水を飲むと、塩分過剰でない限り、どんどん排出されるだけです。 
    ただ、排出されるのはいいのですが、腎臓を酷使していることになります。 
必要もないのに、むやみに内臓を働かせるので、あまり良い結果にはなりません。 
    あまり腎臓を酷使すると、腎臓障害の原因になりますからオススメしたくありません。 
やっぱり、日本人の食生活では、一日2リットルも必要なかったのです。 
    たんぱく質の必要量は、日本人の体格なら、一日60g~70gで十分です。 
肉類には、たんぱく質が20%程含まれるので、一日300~350gになります。 
    まあ、150gのステーキを昼と夜に食べれば300gですが、すこし注意してください。 
つまり、この食べ方をすると、動物性脂肪が多すぎ、太る原因になります。 
    だから、肉類は控えめにして、「魚介類」や「大豆製品」を食べるようにした方がいいです。 
ちなみに、牛サーロインステーキには、たんぱく質より、脂質の方が多いです。 
    100g中に、たんぱく質が16.5g、脂肪分が27.9gですから、まあ太るわけですよね・・。 
これが、同じ牛肉でも、「赤身のモモ肉」になると、だいぶ状況が違います。 
    100g中に、たんぱく質が21.9g、脂肪分が4.9gですから、これなら許せますね(笑) 
これが、おなじみの惣菜である「焼きシャケ」だと、もっといいです。 
    100g中に、たんぱく質が25.2g、脂質は15.8gとなります。 
脂質は多いですが、魚の脂質は、カラダに良い油で、血栓を作ったりしません。 
    また、ホタテ貝なども、たんぱく質が13.5g、脂質0.9gと、とってもヘルシーです。 
話がそれましたが、ゴハンを主食にしている方は、水の飲みすぎに注意してくださいね。 
    水は大事な成分なので、「飲みたいときに、少しずつ」飲むようにしましょう。 
特に、朝一番の1杯、食前の1杯、寝る前の1杯は、とても良い飲み方です。 
    水を飲むのは、食事前の、空腹時がベストです。 
食べた後に、たくさん水を飲むと、消化液を薄めてしまいます。 
    だから、食べる前に、飲んでおくと良いのです。 
一般的に言って、喉が渇いたときは、すでに水分不足です。 
    ですから、こまめに少しずつ、水を飲む習慣が必要ですね。 
長年の疑問がとけて、スッキリしました。
ワタシ、一日に2リットル飲めない・・・と言う方、安心してください。 
    あなたは、正常だったのです(笑)飲みすぎに注意しましょうね。 
今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。