147【ダイエットは知能戦】
私は仕事柄、しょっちゅう本屋に行きます。 
    当然、ダイエットコーナーものぞいています・・。 
わが家の近くの書店では、「巻くだけダイエット」系の本が山積みです。 
    巻くだけを中心に、貼るだけとか、はくだけ・・、みたいのが人気です。 
これを見ていると、人間はラクな方に流れてゆくんだなあ~と感じますね・・。 
    常識的にいって、ただバンドを「巻くだけ」で痩せるはずがありません。 
確かに、瞬間的にサイズダウンが可能なので人気がでるのは理解できます。 
    しかし、サイズダウンといっても、もともと骨格がゆがんでいたのを戻すだけです。 
バンドを巻くことによって、骨盤が正しい位置におさまり、適正なサイズになるんですね。 
    だから、痩せたというよりも、元に戻ったという表現が正しいと思います・・・苦笑 
もちろん、バンドを使ったエクササイズも紹介していて、よい本だと思います。 
    しかし、「巻くだけ」にひかれて購入した読者が、ちゃんとエクササイズをするのか疑問です。 
確かに全身のエクササイズをすれば基礎代謝が上がり、痩せやすくなると思います。 
    しかし、そのためには継続した意思と努力が必要なのは言うまでもありません。 
腰に巻くバンドにしても、一時的にサイズダウンするといってもやっぱり元に戻ります。 
    生活習慣によって骨盤の位置がずれているのですから、生活習慣を直さないとダメなのです。 
それに、山本先生も魅力的な女性だと思いますが、けしてスリムとはいえなかったような・・。 
    今は知りませんよ、今年の1月にテレビで見たときの印象です(スイマセン、失礼しました) 
ちなみに、山本先生と巻くだけダイエットを批判しているのではありません。 
    健康の塾を主宰して、カイロプラクティック医院を経営しているスバラシイ方だと思います。 
しかし、「巻くだけ」を買う方の意識は、どうも本来の意図と違うような気がするのです。 
    この本を買って、腰にバンドを巻くだけでは、はっきりいって痩せることはできません。 
一時的に骨盤が元の場所に戻るので、骨格が矯正されてサイズダウンするだけです。 
    実際は、腰バンドの他に、バンドのエクササイズと食事療法の実践が無ければ痩せないのです。 
本当に痩せるためには、骨格を矯正しつつ、正しい生活習慣を身につける必要があります。 
    ヘンな姿勢で歩いたり、だらしない格好で座ったり、だらけた生活を見直す必要があります。 
とうぜん、カラダを鍛えなおさないといけないので、エクササイズは必須です。 
    そしてまた、とうぜん、なんらかの食事療法をしなければ痩せるはずはありません。 
たまに、気が向いたときにするエクササイズで筋肉が鍛えられるはずないのです。 
    時々、エクササイズをしても、筋肉は鍛えられず、ただのくたびれもうけですからね。 
本当に鍛えるには、日々の生活を律して、規則的な間隔でエクササイズをしなければなりません。 
    つまり、筋肉やカラダがどのような仕組みで強化されるのかを知らなければダメなのです。 
私はもう、10年以上、スポーツクラブで筋トレもどきをやっています。 
    しかし、たまにやる筋トレでは、まったく鍛えられないことは身をもって知っています(笑) 
もちろん、気分転換になるし、血流もよくなってスッキリするので通っていました。 
    しかし、たまにやる筋肉トレを10年間やっても、まったく筋力が向上しないのは事実ですから! 
それに、仮に筋肉が強化され、基礎代謝が上がっても、痩せることは不可能です。 
    運動の消費エネルギーというのは、非常にすくなく、少しくらい運動しても変わりません。 
運動だけで痩せるためには、本当に、「運動を最優先」する生活スタイルが必要です。 
    その決意がなければ、筋肉は鍛えられても、痩せることは絶対にできません。 
実際に痩せるには、「食事療法」が絶対に必要です。 
    ダイエットには、食事療法(80%)と運動(15%)と休息(5%)の割合が大事なのです。 
つまり、ダイエットというのは「知能戦」です。 
    栄養学の知識、調理法の知識、運動生理学の知識、生体反応の知識、心理学の知識も必要です。 
そして、知識があるだけではダメで、「実践」が必要になるのです。 
    これはカラダとココロの、戦いというか、かけひきというか、ホント科学なのです。 
もちろん、偶然に痩せたということはあるでしょう。 
    仕事がいそがしくて痩せた、ひもじくて痩せた、病気で痩せた、いろいろあります。 
しかし、偶然に痩せたというのは、「やつれた」というのがホントです。 
    やつれるというのは、「栄養不足」と「運動不足」により、カラダはボロボロの状態です。 
この「やつれた」状態が美しくないのは当然です。 
    もちろん、健康状態も悪く、痩せているのに生活習慣病になる可能性があります。 
じっさいには、普通に生活していたら、太るしかないのが現状です。 
    若いときに痩せていて、スリムだった方も、中年になると必ず太ります。 
若いときから太り気味だった方は、中年以降にもっと太ります。 
    痩せた方は、「やつれた」か、科学的なダイエットに成功したのか、どちらかです。 
できれば、科学的なダイエットに成功し、美しく、健康になって欲しいものです。 
    つまり「○○だけダイエット」というのは、ダイエットのキッカケなのです。 
おもしろそうな方法をキッカケにして、あらゆる努力をすると痩せるのです。 
    しかし、その努力というのは、厳しいわけでも、辛いわけでもありません。 
ちゃんと成果がでて、自分が痩せてゆく方法を知ってしまったら、あなたはどうしますか。 
    それでもなお、だらけた、太る生活をするのは、けっこう難しいものだと思います。 
人間には、「向上心」と「自尊心」というものがあるんです。 
    もともと、人間には「もっとよくなりたい」という本能があります。 
    もともと、人間には「自分はすばらしい存在だ」と思う本能があります。 
そして、本来、人間には「知りたい」という本能があるのです。 
    学校の勉強はつまらないかもしれませんが、それは学校の教え方が悪いのです。 
勉強というのは、役に立つから、本当はおもしろいはずなのです。 
    ダイエットは知能戦ですから、ぜひ、「知りたい」と思ってください。 
ワタシのテキストは、そんなとき、役に立つと思います。